不動産開発
企業サイドから見れば、従来のように更地を開発して物件化すれば自ずと地価は上昇し、開発利益が必ず得られる時代は終馬しました。不動産開発には時間がかかります。その1~3年、長い場合は5~10年の期間をデベロッパーなどがリスクとして抱えるのは体力的にも限界があります。そこで、証券化によってその不動産特有のリスクを投資家にも抱えてもらおうというわけです。そのためには従来の“どんぶり勘定”を捨て、「情報公開」が必然となります。業務を綴密に行っていく過程で、チェック機能が強化され、コスト意識も増します。最終的にもプロジェクトとしての利益を確保でき、投資家にも利益を分配できるようになります。これが利益を追求する企業の本来的な姿です。時価会計は、このように体質の改善や企業活動のスピードアップを余儀なくさせます。その流れに沿うのが証券化ともいえるのです。証券化はある資産を特定して、言い換えればプロジェエクト化して、個別に資金調達する仕組みです。不動産の証券化ではそれが特にいえる仕組みなのです。オリジネーターにとっては、不動産特有のリスクを分散する一方で、利益を投資家と分配しようとするのが証券化のメリットであり、特徴です。増える「含み損」を抱えるか、ストップ・ロスで-一時的な損失を表面化させるのか、あるいは将来のリスクを投資家に転嫁する一方で利益を得るのか等々、時価会計がもたらす影響は証券化の必然性を押し上げます。